外国語も母国語も難しい〜

一週間くらい前、通訳の仕事があった。
日本文学に関する座談会の専門通訳。日本語を韓国語に通訳する担当だった。


言い訳から始めよう。
一、私の専門分野ではない通訳ということ
二、日本に来て何年も母国語である韓国語の本をほとんど読んでいないこと
三、私は専門的な通訳者ではないこと


通訳は13時から18時まで。ものすごくつらい時間だった。まだひきずっているくらい。
私は母国語である韓国語を結構忘れていた。
忘れたということはぱっと出てこない韓国語の単語が増えてきたこと。先に日本語で言ってしまう。
それは日本にいる私としては支障がない。しかし、韓国に帰ったら戸惑ってしまうだろう。
考えてみたらおもしろい現象だった。悪くいえば、外国語が母国語を侵食していく。
でも韓国語の本を読みはじめたら言語能力は戻ると言われた。それはそうだろう。


韓国の友達と私の会話で私がよく間違えることば。
電車(でんしゃ)→電鉄(ジョンチョル)


私は電鉄(ジョンチョル)と言わなきゃいけない場面で躊躇なく電車(でんしゃ)と日本語で言ってしまう。
友達の反応は、「なに?」(もちろん韓国語で)



通訳の場には日本語を20年くらい勉強された韓国人の先生がいらした。通訳が終わって先生に聞いた。

「先生、先生は日本語も韓国語もすごくお上手ですね〜」
バカバカしい質問だった。でも以外なことを聞くことができた。

「日本で勉強していたら、韓国語忘れちゃうよね。私も何年前から韓国語の勉強やり直したよ。」



言葉をうまく操る、そして習得していくことはもちろん難しい。
しかし、母国語を忘れずにうまく使い続けることも難しいのだ


秋は本当だるい。